.\" %NetBSD: ftp.1,v 1.101 2003/12/19 03:46:02 lukem Exp % .\" .\" Copyright (c) 1996-2003 The NetBSD Foundation, Inc. .\" All rights reserved. .\" .\" This code is derived from software contributed to The NetBSD Foundation .\" by Luke Mewburn. .\" .\" Redistribution and use in source and binary forms, with or without .\" modification, are permitted provided that the following conditions .\" are met: .\" 1. Redistributions of source code must retain the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer. .\" 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright .\" notice, this list of conditions and the following disclaimer in the .\" documentation and/or other materials provided with the distribution. .\" 3. All advertising materials mentioning features or use of this software .\" must display the following acknowledgement: .\" This product includes software developed by the NetBSD .\" Foundation, Inc. and its contributors. .\" 4. 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Op Ar command Op Ar args ローカルマシン上でシェルを起動します。 引数が指定された場合、最初の引数をコマンドとして実行し、 それ以降の引数はそのコマンドに対する引数として処理されます。 .It Ic \&$ Ar macro-name Op Ar args .Ic macdef コマンドで定義されたマクロ .Ar macro-name を実行します。 引数は展開されずにマクロに対して引き渡されます。 .It Ic account Op Ar passwd 一旦ログインに成功したあとで、資源にアクセスするためにリモートマシンから 要求される追加のパスワードを入力します。 引数が指定されない場合、ユーザに対してアカウントパスワード入力を 促すプロンプト表示がされます。 この場合の入力モードはエコーバック無しです。 .It Ic append Ar local-file Op Ar remote-file ローカルファイルをリモートマシン上のファイルに追加書き込みします。 もし、 .Ar remote-file が指定されていなければ、ローカルファイルの名前を .Ic ntrans や .Ic nmap の設定により修正した名前をリモートファイル名として使います。 ファイル転送では .Ic type , .Ic format , .Ic mode , .Ic structure の現在の設定が使われます。 .It Ic ascii 転送ファイルの .Ic type をネットワーク .Tn ASCII 形式にします。 これはデフォルト時の設定です。 .It Ic bell 各ファイル転送コマンド終了時にベルを鳴らすように設定します。 .It Ic binary ファイル転送 .Ic type をバイナリイメージ転送をサポートするようにします。 .It Ic bye リモートサーバとの .Tn FTP セッションを終了し、 .Nm ftp を終了します。 EOF を入力した場合も同様に終了します。 .It Ic case .Ic get , .Ic mget , .Ic mput コマンドの際に行なわれる、リモートマシン上での ファイル名前付けの大文字小文字の対応を切り替えます。 デフォルトでは .Ic case はオフですが、オンの場合にはリモートマシンファイル名の すべての大文字が小文字に変換されて、ローカル マシンのディレクトリに 書き込まれます。 .It Ic \&cd Ar remote-directory リモートマシン上での作業ディレクトリを .Ar remote-directory へ変更します。 .It Ic cdup リモートマシン上での作業ディレクトリを親ディレクトリに変更します。 .It Ic chmod Ar mode remote-file リモートマシン上のファイル .Ar remote-file の属性を、 .Ar mode で指定したものに変更します。 .It Ic close リモートサーバとの .Tn FTP セッションを終了します。 そしてコマンドインタプリタに戻ります。 定義されたマクロはすべて無効になります。 .It Ic \&cr ASCII タイプでファイルの転送を行なう場合に、 復帰文字の除去を行なうかどうかを変更します。 ASCII 形式のファイル転送時には、 復帰/改行 の文字列によってレコードを表します。 .Ic \&cr がオン (デフォルト) の時には、改行コードのみでレコードを区切る .Ux に適合するように、 復帰コードが転送データ列から除去されます。 .Ux 以外のリモートのシステムのレコードは 単独の改行文字を含む可能性があります。 ASCII タイプで転送を行った時には、そういった改行文字は .Ic \&cr がオフの場合にだけレコード区切り記号と区別して扱うことができます。 .It Ic debug Op Ar debug-value デバッグモードを切り替えます。 .Ar debug-value が指定されるとデバッグレベルとして設定されます。 デバッグモードが有効になると、 .Nm はリモートマシンに送信されたコマンドを .Ql \-\-\*[Gt] に続けて表示します。 .It Ic delete Ar remote-file リモートマシンのファイル .Ar remote-file を削除します。 .It Ic dir Op Ar remote-path Op Ar local-file リモートマシン上のディレクトリの内容を表示します。 表示内容にはサーバが選択したシステム依存の情報を含みます。 例えば大部分の .Ux システムは .Ql ls \-l コマンドから得られる出力を表示します。 もし .Ar remote-path が指定されなければ、リモートマシン上のカレントディレクトリの内容が 表示されます。 もしプロンプトがオンだったら、 .Nm は、最後の引数が本当に .Ic dir の出力を書き込むローカルファイルかどうか問い合わせます。 ローカルファイルの指定が無い場合、または .Ar local-file の指定が .Sq Fl だった場合は出力は画面に表示されます。 .It Ic disconnect .Ic close と同じです。 .It Ic edit コマンドラインの編集機能、そして文脈に応じたコマンドとファイルの 補完機能を切り替えます。 これは入力が端末の場合は自動的に有効になり、そして そうでなければ無効になります。 .It Ic epsv4 IPv4 コネクションで拡張コマンドである .Dv EPSV , .Dv EPRT コマンドを使用するかどうかを切り替えます。 まず、 .Dv EPSV / .Dv EPRT を試み、その後で、 .Dv PASV / .Dv PORT を行ないます。 デフォルトで有効になっています。 拡張コマンドに失敗すると、現在の接続の間だけ、 もしくは、 .Ic epsv4 を再度実行するまで、本オプションは一時的に無効とされます。 .It Ic exit .Ic bye と同じです。 .It Ic features リモートサーバがどの機能をサポートしているかを (コマンド .Dv FEAT を使い) 表示します。 .It Ic fget Ar localfile .Ar localfile 中で一覧が指定されたファイルを取得します。 .Ar localfile では、1 行 1 ファイル名です。 .It Ic form Ar format ファイル転送形式を .Ar format と指定します。 デフォルトの (かつ唯一サポートされている) 形式は、 .Dq non-print です。 .It Ic ftp Ar host Op Ar port .Ic open と同じです。 .It Ic gate Op Ar host Op Ar port gate-ftp モードのオンオフを切替えます。 このモードは、TIS FWTK や、Gauntlet ftp プロキシ経由の接続の際に使用します。 (ユーザが明示的に指定するか、 環境変数 .Ev FTPSERVER で指定するかにより) gate-ftp サーバが設定されていない場合、 このモードの使用は許されません。 .Ar host が与えられた場合、gate-ftp モードが有効になり、gate-ftp サーバとして .Ar host が設定されます。 これに加え、 .Ar port も与えられた場合、gate-ftp サーバに接続するポートとして使用します。 .It Ic get Ar remote-file Op Ar local-file リモートマシン上のファイル .Ar remote-file を取得してローカルマシン上に格納します。 ローカルファイル名 .Ar local-file が指定されない場合、 ローカルファイル名は取得したファイルの リモートマシン上の名前と同じになります。 ただし、その名前は .Ic case , .Ic ntrans , .Ic nmap の設定により変更される事があります。 ファイル転送の時には現在の .Ic type , .Ic form , .Ic mode , .Ic structure の設定が使用されます。 .It Ic glob .Ic mdelete , .Ic mget , .Ic mput , .Ic mreget を行なう場合のファイル名の展開のオン/オフを切り替えます。 .Ic glob がオフの場合には、ファイル名は展開されずにそのままになります。 .Ic mput でのファイル名展開の規則は .Xr csh 1 のファイル名展開規則と同様です。 .Ic mdelete , .Ic mget , .Ic mreget の場合には、 各々のリモートファイル名はリモートマシン上で別々に展開され、 リストはマージされません。 ディレクトリ名の展開は普通のファイル名の展開と異なる事があります。 つまり、展開の結果はリモートの OS と FTP サーバに依存しています。 これは .Ql mls remote-files \- を実行する事によってあらかじめ知ることができます。 注: .Ic mget , .Ic mput , .Ic mreget はファイルのディレクトリサブツリーを全て転送するものではありません。 そのようにしたい時はサブツリーの .Xr tar 1 のアーカイブを作成してバイナリモードで転送します。 .It Ic hash Op Ar size 1 データブロック転送するごとに ハッシュサイン (``#'') を出力するかどうかを切り替えます。 デフォルトでは 1 データブロックは 1024byte です。 これは .Ar size でバイト単位で指定する事で変更できます。 .Ic hash を有効にすると、 .Ic progress が無効になります。 .It Ic help Op Ar command 引数 .Ar command の意味に関するヘルプメッセージを出力します。 引数が与えられない場合、 .Nm は使用可能なコマンドの一覧を出力します。 .It Ic idle Op Ar seconds リモートサーバ上のアイドルタイマを .Ar seconds 秒に設定します。 .Ar seconds が与えられない場合は現在のアイドルタイマ値を表示します。 .It Ic image .Ic binary と同じです。 .It Ic lcd Op Ar directory ローカルマシン上の作業ディレクトリを変更します。 .Ar directory 名が与えられない場合はユーザのホームディレクトリに移動します。 .It Ic less Ar file .Ic page と同じです。 .It Ic lpage Ar local-file .Ic "set pager" オプションで指定したプログラムで .Ar local-file を表示します。 .It Ic lpwd ローカルマシン上の作業ディレクトリを表示します。 .It Ic \&ls Op Ar remote-path Op Ar local-file .Ic dir と同じです。 .It Ic macdef Ar macro-name マクロ定義を行ないます。 後続の行がマクロ .Ar macro-name として格納されます。 空行 (1 つのファイル内での連続した改行文字や端末からの連続した 復帰文字) は マクロの入力モードを終了させます。 マクロの数の制限は 16 個で、定義されたマクロ全部で 4096 文字までがゆるされています。 マクロは .Ic close コマンドが実行されるまで定義された状態を持続します。 マクロプロセッサは `$' と `\e' を特別な文字として解釈します。 1つ以上の数字が続く `$' は、コマンドラインで呼び出したマクロの 対応する引数によって置き換えられます。 後ろに `i' が続く `$' は、マクロプロセッサに対して実行している マクロのループを指示します。 最初のパスで `$i' はマクロを呼び出したコマンドラインの最初の引数に 置き換えられ、2 回目のパスで 2 つ目の引数に置き換えられ、それ以降も 同様に置き換えられます。 後ろに任意の文字が続いている `\e' はその文字に置き換えられます。 `\e' は `$' の特別な扱いを避けるために使用します。 .It Ic mdelete Op Ar remote-files リモートマシンの .Ar remote-files を削除します。 .It Ic mdir Ar remote-files local-file 複数のリモートファイルを指定出来る点を除くと .Ic dir と同様です。 プロンプトがオンの時には、 .Nm は最後の引数が .Ic mdir の出力を受け取るローカルファイルであるかをユーザに問い合わせます。 .It Ic mget Ar remote-files リモートマシンで .Ar remote-files で指定されたファイルを展開し、展開により生成された各ファイル名の ファイルに対して .Ic get を実行します。 ファイル名の展開の詳細は .Ic glob を参照してください。 生成されたファイル名は .Ic case , .Ic ntrans , .Ic nmap の設定に従い処理されます。 ファイルはローカルの作業ディレクトリに転送されます。 そのディレクトリは .Ql lcd directory で変更できます。 ローカルの新しいディレクトリは .Ql "\&! mkdir directory" で作成できます。 .It Ic mkdir Ar directory-name リモートマシンにディレクトリを作ります。 .It Ic mls Ar remote-files local-file 複数のリモートファイル名を指定できる点と .Ar local-file を必ず指定しなければならない点を除くと .Ic ls と同様です。 プロンプトがオンの時には、 .Nm は最後の引数が .Ic mls の出力を受け取る目標のローカルファイルであるかをユーザに確認します。 .It Ic mlsd Op Ar remote-path .Ar remote-path (指定のない場合はカレントディレクトリがデフォルトになります) の内容を、 .Dv MLSD を使い機械可読の形式で表示します。 表示形式は、 .Sq "remopts mlst ..." により変更できます。 .It Ic mlst Op Ar remote-path .Ar remote-path (指定のない場合はカレントディレクトリがデフォルトになります) の詳細な情報を、 .Dv MLST を使い機械可読の形式で表示します。 表示形式は、 .Sq "remopts mlst ..." により変更できます。 .It Ic mode Ar mode-name ファイル転送モード .Ic mode を .Ar mode-name で指定したものに設定します。 デフォルトの (かつ唯一サポートされる) モードは、 .Dq stream です。 .It Ic modtime Ar remote-file リモートマシン上の指定ファイルの最終更新日時を参照します。 .It Ic more Ar file .Ic page と同じです。 .It Ic mput Ar local-files 引数として与えられたローカルファイルのリスト中の ワイルドカードを展開し、 展開後の各ファイル名のファイルに対して .Ic put を実行します。 ファイル名の展開の詳細については .Ic glob を参照してください。 生成されたファイル名は .Ic ntrans と .Ic nmap の設定に従って処理されます。 .It Ic mreget Ar remote-files .Ic mget と同様ですが、 .Ic get ではなく、 .Ic reget を実行するところが異なります。 .It Ic msend Ar local-files .Ic mput と同じです。 .It Ic newer Ar remote-file Op Ar local-file リモートマシンのファイルの最終更新日時の方が ローカルマシンのファイルより新しい場合にのみファイルを取得します。 現在のシステムにファイルが無いときには、リモートファイルの方が .Ic 新しい ものとして扱われます。 その他については .Ar get と同じです。 .It Ic nlist Op Ar remote-path Op Ar local-file .Ic ls と同じです。 .It Ic nmap Op Ar inpattern outpattern ファイル名のマッピング機能を設定したり解除したりします。 引数が無い場合にはマッピング機能が解除されます。 引数がある場合には、出力先のリモートファイル名の指定されていない .Ic mput コマンドと .Ic put コマンドの実行時に、リモートファイル名がマップされます。 同様な事が .Ic mget コマンドと .Ic get コマンドのローカルファイル名についても行われます。 このコマンドはファイルの命名規則、命名習慣が異なる非 .Ux リモートマシンとの接続時に便利です。 マッピングは .Ar inpattern と .Ar outpattern によって設定されたパターンに従って行われます。 .Op Ar inpattern は (すでに .Ic ntrans と .Ic case によって処理済の) 入力ファイル名のためのテンプレートです。 .Ar inpattern に `$1', `$2', ..., `$9' の文字列を含むことによって、 変数を使用したテンプレートも使えます。 `$' を特別扱いしたくない時には `\\' を使ってください。 他の文字はそのままその文字として扱われ、 .Ic nmap の .Op Ar inpattern 変数の値を決めるのに用いられます。 例えば、 .Ar inpattern として $1.$2 が、 リモートファイルの名前として "mydata.data" が 与えられた時に、$1 は "mydata" という値となり、 $2 は "data" という値になります。 .Ar outpattern は生成されるマッピング後のファイル名を決定します。 文字列の `$1', `$2', ...., `$9' は .Ar inpattern のテンプレートから生成される値に置き換えられます。 文字列の `$0' は元のファイル名で置き換えられます。 さらに、文字列の .Ql Op Ar seq1 , Ar seq2 は .Op Ar seq1 が空文字列でない時には .Ar seq1 に、 空文字列の時には .Ar seq2 に置き換えられます。 例えばコマンド .Pp .Bd -literal -offset indent -compact nmap $1.$2.$3 [$1,$2].[$2,file] .Ed .Pp は、 入力ファイル名 "myfile.data" と "myfile.data.old" に対して出力ファイル名が "myfile.data" になり、 入力ファイル名 "myfile" に対して出力ファイル名が "myfile.file" になり、 入力ファイル名 ".myfile" に対して 出力ファイル名が "myfile.myfile"になります。 例えば、`nmap $1 sed "s/ *$//" \*[Gt] $1' のように、 .Ar outpattern にはスペースが入っていても構いません。 文字 `$', `[', `]', `,' を特別扱いしたくない時には `\e' を使ってください。 .It Ic ntrans Op Ar inchars Op Ar outchars ファイル名の文字変換機能を設定したり解除したりします。 引数が無い場合には文字変換機能が解除されます。 引数がある場合には、出力先のリモートファイル名の指定されていない .Ic mput コマンドと .Ic put コマンドの実行時にリモートファイル名が変換されます。 同様な事が .Ic mget コマンドと .Ic get コマンドでもローカルファイルに対して行われます。 このコマンドは、異なるファイル命名規則、命名習慣を持つ非 .Ux リモートマシンとの接続時に有効です。 ファイル名中の文字で、 .Ar inchars の中の文字に一致するものが .Ar outchars の対応する文字に置き換えられます。 .Ar inchars の中での文字の位置が .Ar outchars の長さを越えている時には、その文字はファイル名から削除されます。 .It Ic open Ar host Op Ar port 指定した .Ar host の .Tn FTP サーバとのコネクションを確立します。 ポート番号 .Ar port を指定した場合、 .Nm は指定したポート番号を用いて .Tn FTP サーバとのコネクションの確立を試みます。 .Ic "set auto-login" オプションがオン (デフォルト時) の場合には、 .Nm は自動的に .Tn FTP サーバに対してログインを行ないます (以下を参照)。 .It Ic page Ar file .Ic file を取得して、 .Ic "set pager" オプションで指定されたプログラムを使って表示します。 .It Ic passive Op Cm auto パッシブモードを切り替えます (引数を指定しない場合)。 .Cm auto が与えられた場合、 .Ev FTPMODE が .Sq auto に設定されたかのように動作します。 パッシブモードがオン (デフォルトの状態です) なら、 .Nm は、全てのデータコネクションのためのコマンドとして、 .Dv PORT コマンドの代わりに .Dv PASV コマンドを送ります。 .Dv PASV コマンドはリモートのサーバにデータコネクションのためのポートを 開いて、そのポートのアドレスを返すよう要求します。 リモートサーバはそのポートで待ち (listen し)、クライアントはそこに 接続します。 より伝統的な .Dv PORT コマンドを使う場合は、クライアントがポートで待ち (listen し)、 そしてそのアドレスを リモートサーバに送り、リモートサーバはそこに接続して来ます。 パッシブモードは トラフィックの方向を制御するゲートウェイルータやホストを 経由して .Nm を使う場合に有用です。 (注意: .Tn FTP サーバが RFC 1123 の .Dv PASV コマンドをサポートしている必要がありますが、サポートしていない ものもあります) .It Ic pdir Op Ar remote-path .Ic dir .Op Ar remote-path を実行し、その結果を .Ic "set pager" オプションで指定したプログラムを使い表示します。 .It Ic pls Op Ar remote-path .Ic ls .Op Ar remote-path を実行し、その結果を .Ic "set pager" オプションで指定したプログラムを使い表示します。 .It Ic pmlsd Op Ar remote-path .Ic mlsd .Op Ar remote-path を実行し、その結果を .Ic "set pager" オプションで指定したプログラムを使い表示します。 .It Ic preserve 受け取ったファイルの更新日時を保存するかどうかを切り替えます。 .It Ic progress 転送の進行状況を表す棒グラフ表示を切り替えます。 この棒グラフは、 .Ar ローカルファイル として .Sq Fl か .Sq \&| で始まるコマンドが指定された転送では表示されません。 詳しくは .Sx ファイル名の規則 を参照して下さい。 .Ic progress を有効にすると、 .Ic hash が無効になります。 .It Ic prompt 対話的プロンプトモードを切り替えます。 対話的プロンプトモードをオンにすることで、 複数ファイル転送時に転送ファイルの選択を行なえます。 対話的プロンプトモードをオフにすると (デフォルトはオン)、 .Ic mget や .Ic mput で指定したファイルはすべて転送され、 .Ic mdelete で指定したファイルはすべて削除されます。 .Pp プロンプトモードがオンの時には、プロンプトにおいて以下の コマンドが使用できます。 .Bl -tag -width 2n -offset indent .It Cm a 現在のファイルについて .Sq yes とし、自動的に現在のコマンドに対する残りのすべての ファイルに対しても .Sq yes とします。 .It Cm n .Sq no とし、ファイルを転送しません。 .It Cm p 現在のファイルについて .Sq yes とし、( .Dq prompt off が指定された場合と同様に) プロンプトモードをオフにします。 .It Cm q 現在の操作を終了します。 .It Cm y .Sq yes とし、ファイルを転送します。 .It Cm \&? ヘルプメッセージを表示します。 .El .Pp これ以外の応答は現在のファイルに対する .Sq yes として扱われます。 .It Ic proxy Ar ftp-command ftp コマンドを 2 本目の制御コネクション上で実行します。 本コマンドを用いることで、同時に 2 つのリモート .Tn FTP サーバとコネクションを確立し、 2 つのサーバ間でファイル転送を行なうようにすることができるようになります。 最初の .Ic proxy コマンドは .Ic open コマンドである必要があります。 これは、2 本目の制御コネクションを確立するために必要な操作です。 \&"proxy ?" とコマンドを実行することで、 2 本目のコネクションで使用可能な .Tn FTP コマンド一覧が表示されます。 以下のコマンドは .Ic proxy の後におかれた時には異なった働きをします。 .Ic open は自動ログイン処理中には新しいマクロの定義を行いません。 .Ic close はマクロの削除を行いません。 .Ic get と .Ic mget は 1 本目の制御コネクションのホストから 2 本目の制御コネクションの ホストにファイルの転送を行います。 .Ic put と .Ic mput と .Ic append は 2 本目の制御コネクションのホストから 1 本目の制御コネクションの ホストにファイルの転送を行います。 第三者によるファイル転送は、2 本目の制御コネクションのサーバが .Tn FTP プロトコルの .Dv PASV コマンドをサポートしているかどうかに依存します。 .It Ic put Ar local-file Op Ar remote-file ローカルファイルをリモートマシンに転送します。 .Ar remote-file が指定されない場合には、転送先でのファイル名は、 .Ic ntrans か .Ic nmap の設定に基づく処理を行ったローカルファイルの名前が用いられます。 ファイル転送には .Ic type , .Ic format , .Ic mode , .Ic structure の現在の設定が用いられます。 .It Ic pwd 現在のリモートマシン上での作業ディレクトリを表示します。 .It Ic quit .Ic bye と同じです。 .It Ic quote Ar arg1 arg2 ... 引数で指定した文字列を、そのままリモート .Tn FTP サーバに送信します。 .It Xo .Ic rate Ar direction .Op Ar maximum Op Ar increment .Xc 最大転送速度を .Ar maximum バイト毎秒に速度制限します。 .Ar maximum が 0 の場合、速度制限は解除されます。 .Pp .Ar direction は、次のうちの 1 つです。 .Bl -tag -width "all" -offset indent -compact .It Cm all 双方向とも。 .It Cm get 入り方向の転送。 .It Cm put 出方向の転送。 .El .Pp 転送実行中に以下のシグナルを受けるたびに、最大転送速度 .Ar maximum は .Ar increment バイト毎秒 (デフォルトは 1024) だけ増減されます。 シグナルは次の通りです。 .B .Bl -tag -width "SIGUSR1" -offset indent .It Dv SIGUSR1 .Ar maximum を .Ar increment バイトだけ増加させます。 .It Dv SIGUSR2 .Ar maximum を .Ar increment バイトだけ減少させます。 結果は必ず正の値になります。 .El .Pp .Ar maximum が与えられない場合、現在の制限速度値が表示されます。 .Pp 注意: ascii モード転送については、 .Ic rate はまだ実装されていません。 .It Ic rcvbuf Ar size ソケット受信バッファの大きさを .Ar size に設定します。 .It Ic recv Ar remote-file Op Ar local-file .Ic get と同じです。 .It Ic reget Ar remote-file Op Ar local-file .Ic reget は、 .Ic get と似た動作を行ないますが、 .Ar local-file が存在しており .Ar remote-file よりサイズが小さい場合には、 .Ar local-file が .Ar remote-file が部分的にコピーされたものとみなして続きをコピーする点が異なります。 本コマンドは、コネクションが切断されがちなネットワーク経由で 大きいファイルを転送する際に有用です。 .It Ic remopts Ar command Op Ar command-options リモート .Tn FTP サーバのオプションを設定します。 その際に、 .Ar command に .Ar command-options を与えます .Ns ( Ar command-options の有無はコマンドにより扱われます)。 オプションをサポートすることが知られているリモート .Tn FTP コマンドには次のものがあります。 .Sq MLST (これは .Dv MLSD , .Dv MLST に用いられます)。 .It Ic rename Op Ar from Op Ar to リモートマシン上のファイル .Ar from が、 .Ar to というファイル名にリネームされます。 .It Ic reset リプライキューをクリアします。 本コマンドはリモート .Tn FTP サーバとの間でコマンド/リプライのシーケンスの再同期をとるのに使われます。 リモート サーバにより .Tn FTP プロトコル違反が生じると、その後で、 再同期が必要になることがあります。 .It Ic restart Ar marker このコマンドの直後の .Ic get や .Ic put を指定した .Ar marker 位置から再開します。 .Ux システムにおいては、通常 marker はファイルのバイトオフセットで指定します。 .It Ic rhelp Op Ar command-name リモート .Tn FTP サーバからのヘルプを要求します。 .Ar command-name を指定した場合、それも同様にサーバに渡されます。 .It Ic rmdir Ar directory-name リモートマシン上のディレクトリを消去します。 .It Ic rstatus Op Ar remote-file 引数なしの場合、リモートマシンの状態を表示します。 .Ar remote-file を指定した場合、リモートマシンの .Ar remote-file の状態を表示します。 .It Ic runique ローカルマシンに保存されるファイルに対して ユニークな名前を付加するかどうかを切り替えます。 .Ic get や .Ic mget コマンドで目的のローカルファイルと同じ名前のファイルが既に存在する時には、 \&".1" が名前に付加されます。 その名前も既に存在する時には \&".2" が付加されます。 このように順番に処理をし、 \&".99" になっても存在する時には エラーメッセージが表示され、転送は行われません。 生成されたユニークなファイル名は報告されます。 注: .Ic runique はシェルコマンドで生成されるファイル名には効果がありません (下記参照)。 デフォルトではオフになっています。 .It Ic send Ar local-file Op Ar remote-file .Ic put と同じです。 .It Ic sendport .Dv PORT コマンドを使用するかどうか切り替えます。 デフォルトでは、 .Nm は各データ転送用のコネクションの確立の際に .Dv PORT コマンドの使用を試みます。 .Dv PORT を使うことで複数ファイル転送を行なう場合の遅延を避けることが出来ます。 .Dv PORT コマンドが失敗した場合、 .Nm はデフォルトのデータポートを使用します。 .Dv PORT コマンドが無効になった場合、データ転送時に .Dv PORT コマンドは使われません。 これはある種の .Tn FTP の実装で .Dv PORT コマンドは無視するが、誤っていて、受け入れたと返事を返すような 物に対して有効です。 .It Ic set Op Ar option Ar value オプション .Ar option に、値 .Ar value を設定します。 .Ar option , .Ar value どちらも与えられない場合、全オプションとその値を表示します。 現在サポートされているオプションは次のとおりです。 .Bl -tag -width "http_proxy" -offset indent .It Cm anonpass デフォルトは .Ev $FTPANONPASS .It Cm ftp_proxy デフォルトは .Ev $ftp_proxy .It Cm http_proxy デフォルトは .Ev $http_proxy .It Cm no_proxy デフォルトは .Ev $no_proxy .It Cm pager デフォルトは .Ev $PAGER .It Cm prompt デフォルトは .Ev $FTPPROMPT .It Cm rprompt デフォルトは .Ev $FTPRPROMPT .El .It Ic site Ar arg1 arg2 ... 引数で指定した文字列を、 .Dv SITE コマンドの引数としてそのまま .Tn FTP サーバに送信します。 .It Ic size Ar remote-file リモートマシン上の .Ar remote-file で指定したファイルのサイズを表示します。 .It Ic sndbuf Ar size ソケットの送信バッファの大きさを .Ar size に設定します。 .It Ic status .Nm ftp の現在の状態を表示します。 .It Ic struct Ar struct-name ファイル転送の .Ar structure を .Ar struct-name に設定します。 デフォルトの (そして唯一サポートされている) structure は、 .Dq file です。 .It Ic sunique リモートマシン上に転送するファイルのファイル名に対して、 一意な名前を付与するかどうかを切り替えます。 この機能が使えるためには、 リモートの .Tn FTP サーバが .Tn FTP プロトコルの .Dv STOU コマンドをサポートしていなければなりません。 リモートサーバがユニークな名前を報告します。 デフォルトではこの機能はオフになっています。 .It Ic system リモートマシンで稼働している OS のタイプを表示します。 .It Ic tenex .Tn TENEX マシンと 通信するために必要なファイル転送モードを設定します。 .It Ic throttle .Ic rate と同じです。 .It Ic trace パケットトレースをするかどうかを切り替えます。 .It Ic type Op Ar type-name ファイル転送の .Ic type を .Ar type-name に変更します。 引数が指定されない場合には 現在のファイル転送タイプを表示します。 デフォルトタイプはネットワーク .Tn ASCII です。 .It Ic umask Op Ar newmask リモートサーバのデフォルトの umask 値を .Ar newmask で指定した値に変更します。 .Ar newmask が指定されていない場合は現在の umask 値を表示します。 .It Ic unset Ar option オプション .Ar option の設定を解除します。 詳細については .Ic set を参照して下さい。 .It Ic usage Ar command .Ar command の使い方を表すメッセージを表示します。 .It Xo .Ic user Ar user-name .Op Ar password Op Ar account .Xc ユーザをリモート .Tn FTP サーバに認識させます。 .Ar password が指定されていなくて、 .Tn FTP サーバが必要とする場合は (ローカルエコーをオフにしてから) .Nm がユーザに問い合わせます。 .Ar account が指定されていなくて、 .Tn FTP サーバが必要とする場合には、 .Nm がユーザに問い合わせます。 リモートサーバがログイン時にアカウントを必要としないのに .Ar account フィールドが指定された場合には、ログイン処理の完了後に account コマンドがリモートサーバに渡されます。 .Dq auto-login を無効にした状態で .Nm が呼び出されない限り、 この処理は .Tn FTP サーバに最初につながった時に自動的に行われます。 .It Ic verbose 饒舌モードの切り替えをします。 饒舌モードの時には .Tn FTP サーバからの全ての応答が表示されます。 さらにこのモードがオンの時には、ファイル転送が終了した時に 転送効率に関する統計が報告されます。 デフォルトではオンになっています。 .It Ic xferbuf Ar size ソケットの送信バッファ、受信バッファの大きさを .Ar size に設定します。 .It Ic \&? Op Ar command .Ic help コマンドと同じです。 .El .Pp スペースを含むコマンドの引数は、`"' マークで括って下さい。 .Pp 設定を切り替えるコマンドでは、設定を指定するために明示的に .Ic on か .Ic off を引数として指定できます。 .Pp 引数としてバイト数を取るコマンド (例えば、 .Ic hash , .Ic rate , .Ic xferbuf など) は、その引数の後置オプションをサポートしており、引数の解釈を 変えることができます。サポートされる後置オプションは次のものです。 .Bl -tag -width 3n -offset indent -compact .It Li b 無修正 (オプションです) .It Li k キロ。引数を 1024 倍します。 .It Li m メガ。引数を 1048576 倍します。 .It Li g ギガ。引数を 1073741824 倍します。 .El .Pp .Nm が転送中にシグナル .Dv SIGINFO ( .Xr stty 1 の引数 .Dq status を参照) か、 .Dv SIGQUIT を受けると、その時点での転送レートの統計情報が 終了時の標準的なフォーマットと同じ形式で標準エラー出力に書き出されます。 .Sh ファイルの自動取得 標準的なコマンドに加えて、 このバージョンの .Nm は自動取得の機能をサポートします。 単にホスト名/ファイルのリストをコマンドラインで渡すだけで、 自動取得が有効になります。 .Pp 自動取得の要素として有効な構文は、以下の形式です。 .Bl -tag -width "FOO " .\" [user@]host:[path][/] .It Xo .Sm off .Op Ar user Li \&@ .Ar host Li \&: .Op Ar path .Op Li / .Sm on .Xc .Dq 古典的な .Tn FTP の形式。 .Pp .Ar path に glob 文字が含まれており、ファイル名展開 (globbing) が 有効になっている場合 ( .Ic glob を参照)、 .Ql mget path と同等の処理が行なわれます。 .Pp .Ar path のディレクトリ要素に glob 文字が含まれていない場合、 .Ar path のベースネーム .Ns ( Xr basename 1 を参照) を名前として、 ファイルをローカルのカレントディレクトリに格納します。 そうでない場合、リモートの名前全体を、ローカルのルートディレクトリから 相対的に使用します。 .\" ftp://[user[:password]@]host[:port]/path[/][;type=X] .It Xo .Sm off .Li ftp:// .Oo Ar user .Op Li \&: Ar password .Li \&@ Oc .Ar host Oo Li \&: Ar port Oc .Li / Ar path .Op Li / .Op Li ;type= Ar X .Sm on .Xc .Tn FTP URL 形式。 .Ic "set ftp_proxy" が定義されていなければ .Tn FTP プロトコルで取得します。 そうでなければ .Ic "set ftp_proxy" で指定されたプロキシを経由した .Tn HTTP を使って URL を転送します。 .Ic "set ftp_proxy" が定義されておらず、 .Ar user が与えられている場合、 .Ar user としてログインします。 この場合、 .Ar password が与えられていれば、それを使います。 与えられていなければ、 プロンプトをユーザに表示して入力を促します。 .Pp .Sq ;type=A もしくは .Sq ;type=I のサフィックスが指定されると、転送タイプはそれぞれ、 ASCII または binary になります。 デフォルト転送タイプは binary です。 .Pp .Cm RFC 1738 に準拠するために、 .Nm は .Dq ftp:// auto-fetch URL の .Ar path 部分を次のように解釈します: .Bl -bullet .It .Ar host Ns Oo Li \&: Ns Ar port Oc の直後の .Sq Li / は、 .Ar path の前のセパレータとして解釈され、 .Ar path 自身とは解釈されません。 .It .Ar path は、 .Sq Li / で分離される、名前部分のリストであると解釈されます。 最後以外の各部分に対し、 .Nm は .Ic cd に相当するコマンドを実行します。 最後のパス部分に対しては、 .Nm は .Ic get に相当するコマンドを実行します。 .It 空の名前部分、すなわち .Ar path 中の .Sq Li // や .Ar path の先頭の .Sq Li / は、ディレクトリ名無しの .Ic cd コマンドを実行させます。 これは有用ではないでしょう。 .It パス部分の .Sq Li \&% Ns Ar XX は、 .Ar XX が 16 進数文字コードであるとしてデコードされます。 これは、 .Ar path が部分に分けられた後に実行されますが、各部分が .Ic cd や .Ic get のコマンドに相当する処理で使用される前に実行されます。 しばしば使用されるコードは、 .Sq Li \&%2F (これは .Sq Li / を表現します) や .Sq Li \&%7E (これは .Sq Li ~ を表現します) です。 .El .Pp 上記の解釈の結果、次のようになります: .Bl -bullet .It パスは、指定されたユーザもしくは .Sq anonymous ユーザのデフォルトログインディレクトリからの相対指定として解釈されます。 .Pa / ディレクトリを要求する場合、パス先頭に .Dq %2F を使用して下さい。 ユーザのホームディレクトリを要求する場合 (そして、リモートサーバがその構文をサポートしている場合)、パス先頭に .Dq %7Euser/ を使用して下さい。 例えば、 パスワード .Sq mypass を持つユーザ名 .Sq myname として、 .Sq localhost から .Pa /etc/motd を取得するには、 .Dq ftp://myname:mypass@localhost/%2fetc/motd .It 正確な .Ic cd および .Ic get のコマンドの使用は、どこに .Sq / を使い、どこに .Sq %2F (または .Sq %2f ) を使うかで制御可能です。 例えば、次の URL は指定されるコマンドに対応します: .Bl -tag -width "ftp://host/%2Fdir1%2Fdir2%2Ffile" .It ftp://host/dir1/dir2/file .Dq "cd dir1" , .Dq "cd dir2" , .Dq "get file" . .It ftp://host/%2Fdir1/dir2/file .Dq "cd /dir1" , .Dq "cd dir2" , .Dq "get file" . .It ftp://host/dir1%2Fdir2/file .Dq "cd dir1/dir2" , .Dq "get file" . .It ftp://host/%2Fdir1%2Fdir2/file .Dq "cd /dir1/dir2" , .Dq "get file" . .It ftp://host/dir1%2Fdir2%2Ffile .Dq "get dir1/dir2/file" . .It ftp://host/%2Fdir1%2Fdir2%2Ffile .Dq "get /dir1/dir2/file" . .El .It .Ic cd に相当するコマンドで使用される各中間ディレクトリに対し、 適切なアクセスパーミッションが必要です。 .El .\" http://[user[:password]@]host[:port]/path .It Xo .Sm off .Li http:// .Oo Ar user .Op Li \&: Ar password .Li \&@ Oc .Ar host Oo Li \&: Ar port Oc .Li / Ar path .Sm on .Xc .Tn HTTP URL 形式です。 ファイル取得に .Tn HTTP プロトコルを用います。 .Ic "set http_proxy" が定義されている場合、 .Tn HTTP プロキシサーバへの URL として使用されます。 .Ar path の取得に .Tn HTTP 認証が必要であり、かつ、 .Sq user (とオプションで .Sq password ) が URL に含まれている場合、最初の認証処理にそれらを使います。 .\" file:///path .It Xo .Sm off .Li file:/// Ar path .Sm on .Xc ローカル URL 形式です。 ローカルホストの .Pa / Ns Ar path からコピーされます。 .El .Pp 上で特に指定がない限り、かつ、 .Fl o Ar output が指定されていない場合、ファイルはカレントディレクトリに .Ar path の .Xr basename 1 として格納されます。 .Pp 古典的な形式または .Tn FTP URL形式で最後に .Sq / がある場合、もしくは .Ar path 要素が空の場合、 .Nm はそのサイトに接続して与えられたパスのディレクトリに .Ic cd し、以降の入力を受け付けるために対話モードに入ります。 これは .Ic "set ftp_proxy" が使用されている場合には動作しません。 .Pp 直接 .Tn HTTP 転送では HTTP 1.1 を使用します。 プロキシ経由の .Tn FTP , .Tn HTTP 転送では、HTTP 1.0 を使用します。 .Pp .Fl R が指定されている場合、 .Tn FTP , .Tn HTTP プロキシを介さない自動取得全てが再び開始されます。 .Tn FTP に対しては、これは .Nm get でなく .Nm reget を使い実装されています。 .Tn HTTP に対しては、これは、 .Tn "HTTP/1.1" のディレクティブ .Sq "Range: bytes=" を用いて実装されています。 .Pp WWW 認証またはプロキシ WWW 認証が必要な場合、ユーザに対し 認証のためのユーザ名、パスワードの入力を促すプロンプトが 出力されます。 .Pp URL にIPv6 の数値アドレスを指定した場合、例えば、 .Dq ftp://[::1]:21/ のように、アドレスを角括弧で囲う必要があります。 これは IPv6 の数値アドレスで使用するコロンが、ポート番号を区切る セパレータでもあるためです。 .Sh ファイル転送の中止 ファイル転送を中断するためには、 端末のインタラプトキー (通常は Ctrl-C) を打鍵してください。 データ送信はただちに停止します。 データ受信は、 .Tn FTP プロトコルの .Dv ABOR コマンドをリモートサーバに送ることで、サーバからのデータ送信が 止められます。 そしてそれ以降の受信データは捨てられます。 これが行われる速度は、リモートサーバが .Dv ABOR コマンドをサポートする方式に依存します。 リモートサーバが .Dv ABOR コマンドをサポートしていない時には、 要求したファイルをリモートサーバが送り終るまでプロンプトは現れません。 .Pp .Nm が ABOR 処理中のリモートサーバからの応答を待っている状態にある間に、 端末の割り込みキーシーケンスが使用された場合、コネクションは 閉じられます。 これは古くからの動作 (この状態では端末の割り込みは無視されます) とは異なりますが、こちらの方がより便利と考えてのことです。 .Sh ファイル名の規則 .Nm コマンドの引数として指定されたファイル名は、以下の規則で処理されます。 .Bl -enum .It ファイル名として .Sq Fl が指定された場合、 入力ファイル名の場合には標準入力 .Ar stdin が、 出力ファイル名の場合には標準出力 .Ar stdout が使用されます。 .It ファイル名の先頭の文字が .Sq \&| の場合には、その後に指定された文字列はすべてシェルコマンドと解釈されます。 .Nm は与えられた引数をつけて .Xr popen 3 を用いてシェルを fork し、 標準出力から (標準入力へ) 読み出し (書き込み) ます。 シェルコマンドにスペースが含まれている時には 引数は引用符で囲まれなければなりません。 (例: .Dq Qq Li \&| ls\ \-lt ) 特に有用な例としては .Dq Li dir \&"\&" \&|more があります。 .It 上記のチェックにひっかからず、``globbing'' が有効になっている場合、 ローカルファイル名は .Xr csh 1 のファイル名展開規則にしたがって展開されます。 (詳細は .Ic glob コマンドを参照) ただし、 .Nm のコマンドが 1 つのファイル名しか必要としない場合 (例えば .Ic put ) は、ファイル名展開で生成された最初のファイル名だけが使用されます。 .It .Ic mget コマンドと .Ic get コマンドにおいてローカルファイル名が指定されない場合、 ローカルファイル名はリモートファイル名と同一になります。 ただし、これらのファイル名は .Ic case , .Ic ntrans , .Ic nmap の設定によって変わることもあります。 結果として得られたファイル名は、 .Ic runique が設定されていればさらに変わるかもしれません。 .It .Ic mput コマンドと .Ic put コマンドにおいてリモートファイル名が指定されない場合、 リモートファイル名はローカルファイル名と同一になります。 ただし、これらのファイル名は .Ic ntrans , .Ic nmap の設定によって変わることもあります。 結果として得られたファイル名は、 .Ic sunique が設定されていればリモートサーバによって さらに変えられる可能性があります。 .El .Sh ファイル転送パラメータ .Tn FTP の仕様にはファイル転送時に影響を及ぼす多くのパラメータが規定されています。 .Ic type は、 .Dq ascii , .Dq image (binary), .Dq ebcdic , .Dq local byte size (ほとんど .Tn PDP Ns -10 および .Tn PDP Ns -20 のためのものです) のうちの 1 個が指定可能です。 .Nm は、ascii と image のタイプを指定可能なのに加えて、 .Ic tenex モードの転送を指定することにより ローカルバイトサイズ 8 を指定することが可能です。 .Pp .Nm では、他の .Ic mode , .Ic form , .Ic struct のパラメータではデフォルト値だけが使用可能です。 .Sh .netrc ファイル .Pa .netrc ファイルは、自動ログイン処理のためのログイン情報および 初期設定情報を記述します。 .Fl N Ar netrc オプションで上書きしない限り、かつ、環境変数 .Ev NETRC で指定しない限り、 .Pa .netrc ファイルは、ユーザのホームディレクトリに置きます。 .Pa .netrc では以下のトークンが解釈されます。 これらはスペース、タブ、改行文字のいずれかによって分割されます。 .Bl -tag -width password .It Ic machine Ar name リモートマシン名 .Ar name を定義します。 自動ログイン処理は、 .Pa .netrc ファイル中を探し、 .Nm のコマンドラインもしくは .Ic open コマンドの引数として指定されたリモートマシンに一致する .Ic machine トークンを探します。 一致するものがあった場合は、その後に続く .Pa .netrc トークンが処理され、その処理はファイル最後尾に行き着くか他の .Ic machine トークンまたは .Ic default トークンに出くわすまで続きます。 .It Ic default 任意の名前と一致すること以外は .Ic machine .Ar name と同様です。 .Ic default トークンは、 .Pa .netrc ファイル中に 1 エントリだけが許され、 しかも他の全ての .Ic machine トークンより後ろでなければなりません。 通常は .Pp .Dl default login anonymous password user@site .Pp のように使用されます。 本エントリによって .Pa .netrc に指定の無いマシンに自動的に anonymous .Tn FTP ログインを試みるようになります。 自動ログインを無効にするために、 .Fl n フラグを用いてこの処理を上書きすることができます。 .It Ic login Ar name リモートマシンにおけるログイン名を指定します。 本トークンが与えられている場合、自動ログイン処理は指定した .Ar name を用いてログインを開始します。 .It Ic password Ar string パスワードを指定します。 本トークンが指定されている場合でリモートサーバがログイン処理中に パスワードを要求する場合は、自動ログイン処理は指定した文字列を 送ります。 .Pa .netrc ファイルにおいて、 .Ar anonymous 以外のユーザに対し本トークンが存在している場合、 .Pa .netrc がそのユーザ以外から読み込み可能ならば、 .Nm は自動ログイン処理を中断します。 .It Ic account Ar string 追加のアカウントパスワードを指定します。 このトークンがあると、 追加のアカウントパスワードをリモートホストが必要とする時に 自動ログインプロセスが指定された文字列を与えます。 そうでない場合には、自動ログインプロセスは .Dv ACCT コマンドを与えます。 .It Ic macdef Ar name マクロを定義します。 このトークンの機能は .Nm の .Ic macdef コマンドの機能に似ています。 マクロは指定された名前を用いて定義されます。 その内容は .Pa .netrc の次の行から始まり、空行 (改行文字の連続) が現れるまで続きます。 .Ic init というマクロが定義されているならば、 自動ログイン処理の中での最後の段階で自動的に実行されます。 例えば .Bd -literal -offset indent default macdef init epsv4 off .Ed .Pp が、空行の後に続きます。 .El .Sh コマンドラインの編集機能 .Nm は .Xr editline 3 ライブラリを使った対話的なコマンドラインの編集をサポートします。 これは .Ic edit コマンドによって有効になり、そして入力が tty からの場合は デフォルトで有効になっています。 カーソルキーで以前の行を呼び出して編集できます。 そして他にも GNU Emacs スタイルの編集用のキーが使えます。 .Pp .Xr editline 3 ライブラリは .Pa .editrc ファイルで設定できます - より詳しくは .Xr editrc 5 を参照して下さい。 .Pp .Nm には、文脈に依存したコマンドとファイル名の補完 (リモートファイルの補完を含む) 機能を提供するための 追加のキー割り当てが用意されています。 これを使うためには .Xr editline 3 の .Ic ftp-complete コマンドにキーを割り当てて下さい。 これはデフォルトで TAB キーに割り当てられています。 .Sh コマンドラインプロンプト デフォルトでは、 .Nm は .Dq "ftp\*[Gt] " のコマンドラインプロンプトをユーザに表示します。 .Ic "set prompt" コマンドを使うことでこれを変更できます。 .Pp .Ic "set rprompt" コマンドにより、スクリーンの右端 (コマンド入力の後) に プロンプトを表示させることもできます。 .Pp 次の書式文字列は、与えられた情報で置き換えられます。 .Bl -tag -width "%% " -offset indent .It Li \&%/ リモート側のカレントディレクトリ。 .\" %c[[0]n], %.[[0]n] .It Xo .Sm off .Li \&%c .Op Oo Li 0 Oc Ar n Ns , .Li \&%. .Op Oo Li 0 Oc Ar n .Sm on .Xc リモート側のカレントディレクトリの末尾の要素。 数字 .Em n が与えられた場合は、末尾 .Em n 個の要素。 .Em n が .Sq 0 で始まる場合、 末尾要素の前に、スキップされた要素数が、 .Ns ( Sq \&%c の場合) 書式 .\" ``/trailing'' .Do .Sm off .Li / Li \*[Lt] Va number Li \*[Gt] .Va trailing .Sm on .Dc で、 .Ns ( Sq \&%. の場合) 書式 .\" ``...trailing'' .Dq Li \&... Ns Va trailing で置かれます。 .It Li \&%M リモートホスト名。 .It Li \&%m リモートホスト名のうち、最初の .Sq \&. までの部分。 .It Li \&%n リモートユーザ名。 .It Li \&%% .Sq % 1 文字。 .El .Sh 環境変数 .Nm は、以下の環境変数を使用します。 .Bl -tag -width "FTPSERVERPORT" .It Ev FTPANONPASS anonymous .Tn FTP 転送の際に送付するパスワード。 デフォルトは、 .Dq Li `whoami`@ です。 .It Ev FTPMODE デフォルトの動作モードを上書きします。 サポートする値は次のとおりです。 .Bl -tag -width "passive" .It Cm active アクティブモード。 .Tn FTP のみ。 .It Cm auto パッシブ / アクティブの自動判定 (これがデフォルトです)。 .It Cm gate gate-ftp モード。 .It Cm passive パッシブモード。 .Tn FTP のみ。 .El .It Ev FTPPROMPT コマンド行プロンプト。 デフォルトは、 .Dq "ftp\*[Gt] " です。 詳細は、 .Sx コマンドラインプロンプト を参照して下さい。 .It Ev FTPRPROMPT コマンド行右側のプロンプト。 デフォルトは .Dq "" です。 詳細は、 .Sx コマンドラインプロンプト を参照して下さい。 .It Ev FTPSERVER .Ic gate が有効な時に gate-ftp サーバとして使用するホスト。 .It Ev FTPSERVERPORT .Ic gate が有効な時に gate-ftp サーバに接続するのに使うポート。 デフォルトは .Dq ftpgate/tcp で .Fn getservbyname を呼び出して返って来たポート。 .It Ev FTPUSERAGENT .Tn HTTP ユーザエージェントヘッダとして送る値。 .It Ev HOME 定義されていれば .Pa .netrc ファイルのデフォルトの置き場所となります。 .It Ev NETRC .Pa .netrc ファイルの別の置き場所。 .It Ev PAGER 各種コマンドでファイルを表示する際に使われます。 本環境変数が空か設定されていない場合のデフォルトは、 .Xr more 1 です。 .It Ev SHELL デフォルトで起動するシェルを定義します。 .It Ev ftp_proxy .Tn FTP URL リクエストを発行する時に使う .Tn FTP プロキシの URL (定義されていなければ標準の .Tn FTP プロトコルを使います)。 .Pp .Em 注意 : 本環境変数はインタラクティブセッションでは使われません。 コマンド行での取得のためだけのものです。 .It Ev http_proxy .Tn HTTP URL リクエストを発行する時に使う .Tn HTTP プロキシの URL。 プロキシ認証が要求され、この URL ユーザ名とパスワードの指定がある場合、 そのプロキシに対し、最初に認証処理を試みる際にそれらを使用します。 .Pp .Ev ftp_proxy , .Ev http_proxy におけるユーザ名、パスワードの用法は、 ( .Xr lynx 1 など) それを使う他のプログラムとは互換性がないかもしれないことに 注意して下さい。 .Pp .Em 注意 : 本環境変数はインタラクティブセッションでは使われません。 コマンド行での取得のためだけのものです。 .It Ev no_proxy 空白またはコンマで区切られたホスト名 (またはドメイン名) のリスト。 プロキシを使用しないホストやドメインを表します。 各エントリに対し、オプションで ":port" を指定できます。 これは、そのポートに対する接続のみにマッチングを制限します。 .El .Sh 拡張パッシブモードとファイアウォール ファイアウォールの設定によっては、 .Nm は拡張パッシブモードが使えません。 単なる .Ic ls コマンドが、 .Pp .Dl 229 Entering Extended Passive Mode (|||58551|) .Pp といったメッセージを表示した後にハングしたように見える場合には、 .Ic epsv4 off として拡張パッシブモードを無効化する必要があります。 どのようにこれを自動化するかについては、前述の .Sx .netrc ファイル 節を参照してください。 .Sh 関連項目 .Xr getservbyname 3 , .Xr editrc 5 , .Xr services 5 , .Xr ftpd 8 .Sh 規格 .Nm は、以下の標準に準拠しているつもりです。 .Cm RFC 959 , .Cm RFC 1123 , .Cm RFC 1738 , .Cm RFC 2068 , .Cm RFC 2389 , .Cm RFC 2428 , .Cm RFC 2732 , .Cm draft-ietf-ftpext-mlst-11 .Sh 歴史 .Nm コマンドは .Bx 4.2 で現れました。 .Pp コマンドラインの編集、文脈に依存したコマンドとファイルの補完、 進行状況を表す棒グラフ、ファイルや URL の自動取得、 更新時刻の保存、標準 .Bx の .Nm に対するその他の拡張などといった多様な機能は、 .An Luke Mewburn .Aq lukem@NetBSD.org が、 .Nx 1.3 とそれ以後のリリースで実装しました。 .Pp IPv6 サポートは WIDE/KAME プロジェクトが追加しました (が、NetBSD 以外での本プログラムのバージョン全てでこの機能が存在するとは 限りません。 これは、オペレーティングシステムが IPv6 をサポートする際に、 KAME と類似のやりかたを取っているかどうかに依存します)。 .Sh バグ 多くのコマンド動作が正しいかどうかは、 リモートサーバの動作が適切かどうかに依存します。 .Pp .Bx 4.2 の ascii モードでの転送時の復帰文字の取り扱いのエラーは訂正されています。 この訂正の結果として、 .Bx 4.2 のサーバとの間でバイナリファイルを ascii タイプを使用して転送した時に 不正転送をひき起こすことが あります。 この問題を回避するためにはバイナリモードを用いて ファイル転送をして下さい。 .Pp .Nm は、IPv4 マップドアドレス .Po .Li ::ffff:10.1.1.1 のような形式の IPv6アドレス .Pc の全てが .Dv AF_INET ソケットで扱うことができる IPv4 の宛先を表していると想定しています。 しかし、IPv6 の設定によっては、この想定が正しくないこともあります。 そのような環境では、IPv4 マップドアドレスは .Dv AF_INET6 ソケットに直接渡さなければなりません。 例えば、あるサイトが IPv6-to-IPv4 変換として SIIT トランスレータを 使用しているとします。 このとき、 .Nm はこの設定をサポートすることができません。