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.Xr ftruncate 2 を使いファイルを拡張してから、つまりファイルに大きな穴を空けてから、 その穴を共有 .Fn mmap を修正して埋める場合、深刻なファイル断片化が生じる可能性があります。 この断片化を避けるために、 .Fn mmap でその領域を修正する前に、新規に拡張した領域に 0 を .Fn write して、ファイルのバッキングストアを事前に割り当てておく必要があります。 ディスクへのフラッシュが全くランダムに生じるため、 断片化問題に特に敏感なのは、 .Dv MAP_NOSYNC ページです。 .Pp 同じことが、 .Dv MAP_NOSYNC を使いファイルベースの共有メモリストアを実装する場合にも言えます。 .Fn ftruncate してバッキングストアを作るのではなく、0 を .Fn write してバッキングストアを作ることを推奨します。 たとえば、 .Dq Li dd if=filename of=/dev/null bs=32k を使うなどして巨大なファイルをシーケンシャルに読み取りながら、 .Dq Li iostat 1 を呼び出すことで得られる KB/t (転送 1 回あたりのキロバイト数) を 観察することでファイル断片化のテストが可能です。 .Pp .Xr fsync 2 システムコールはすべての汚染されたデータとファイルに関連づけられたメタデータ (NOSYNC の汚れた VM データを含む) を物理的媒体にフラッシュします。 .Xr sync 8 コマンドと .Xr sync 2 システムコールは、汚染された NOSYNC VM のデータを通常フラッシュしません。 .Xr msync 2 システムコールは .Bx で整合性のあるファイルシステムのバッファキャッシュが実装されたので 廃止されました。 しかしながら、汚れた VM ページとファイルシステムを結びつけ、 物理的媒体にすぐに (後程ではなく) フラッシュさせる用途に 使われることもあります。 .It Dv MAP_PRIVATE 修正はプロセス固有に行われます。 .It Dv MAP_SHARED 修正は共有されます。 .It Dv MAP_STACK .Dv MAP_STACK は .Dv MAP_ANON および 0 の .Fa offset 指定を含みます。 .Fa fd 引数は -1 でなければならず、 .Fa prot には少なくとも .Dv PROT_READ と .Dv PROT_WRITE が入っている必要があります。 このオプションは、スタックの先頭を開始点とし下方に伸びる、サイズが最大で .Fa len バイトまで伸びるメモリ領域を作成します。 スタックの先頭は、呼び出しから返された開始アドレスに .Fa len バイトを加えたものになります。 最も伸びた場合のスタックの下端は、 呼び出しによって返される開始アドレスになります。 .El .Pp .Xr close 2 システムコールはページをアンマップしません。 詳細については .Xr munmap 2 を参照してください。 .Pp 現在の設計ではプロセスはスワップ空間の位置を指定できません。 将来は、追加のマッピングタイプ .Dv MAP_SWAP を定義するかもしれません。 この場合、ファイル記述子引数には スワップを行うべきファイルまたはデバイスを指定します。 .Sh 戻り値 正常に完了すると、 .Fn mmap は、マップされた領域を指すポインタを返します。 そうでない場合は 値 .Dv MAP_FAILED が返され、エラーを示すために .Va errno が設定されます。 .Sh エラー .Fn mmap システムコールは次の場合に失敗します: .Bl -tag -width Er .It Bq Er EACCES フラグ .Dv PROT_READ が .Fa prot 引数の一部として指定されましたが、 .Fa fd が読取り用に開かれていませんでした。 フラグ .Dv MAP_SHARED と .Dv PROT_WRITE が .Fa flags と .Fa prot 引数の一部として指定されましたが、 .Fa fd は書込み用に開かれていませんでした。 .It Bq Er EBADF .Fa fd 引数が有効な開かれたファイルの記述子ではありません。 .It Bq Er EINVAL .Dv MAP_FIXED が指定されて .Fa addr 引数がページ境界に整列されていないか、または指定の アドレスの一部がユーザプロセスの有効なアドレス空間の外になります。 .It Bq Er EINVAL .Fa len 引数が負でした。 .It Bq Er EINVAL .Dv MAP_ANON が指定されて .Fa fd 引数が -1 ではありませんでした。 .It Bq Er EINVAL .Dv MAP_ANON が指定されておらず、 .Fa fd が通常のファイルまたはキャラクタ型特殊ファイルを参照していませんでした。 .It Bq Er EINVAL .Fa offset 引数がページ境界に整列していませんでした (後述する「 .Sx バグ の章」を参照)。 .It Bq Er ENOMEM .Dv MAP_FIXED が指定されていますが、 .Fa addr 引数が与えられていません。 .Dv MAP_ANON が指定されて利用できるメモリが不充分でした。 sysctl 値 .Va vm.nax_proc_mmap で指定されたプロセス毎の mmap 限界に達しました。 .El .Sh 関連項目 .Xr madvise 2 , .Xr mincore 2 , .Xr minherit 2 , .Xr mlock 2 , .Xr mprotect 2 , .Xr msync 2 , .Xr munlock 2 , .Xr munmap 2 , .Xr getpagesize 3 , .Xr make.conf 5 .Sh バグ .Fa len 引数は 2GB に限定されます。 2GB をわずかに上回るマッピングは機能しませんが、 2GB, 4GB, 6GB および 8GB よりわずかに少ないファイルサイズについて (ファイルサイズ % 2GB) のサイズのウィンドウをマップできます。 .Pp 制約は多彩な理由から生じています。 そのほとんどは、パフォーマンス上の著しいペナルティのため、 .Fx では VM システム内で 64 ビットのオフセットを使用したくないことと 関係しています。 したがって .Fx は 32 ビットのページインデックスを使用しており、これによって .Fx では最高で 8TB までのファイルサイズを利用できます。 実際にはさらに制約が課されて使用可能サイズは 1TB までですが、 これは、ファイルシステムコード内のバグによるものです (ブロック番号計算を行っているときの桁落ち)。 .Pp 2GB 制限のもうひとつの理由は、ファイルシステムメタデータが負のオフセットに 存在できるということです。 .Pp 0 バイトを .Fn mmap しようとしても何の効果もなく、単に成功します。 一方、0 バイトを .Fn munmap しようとすると .Bq Er EINVAL が返されることに注意してください。