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struct so_debug *d_debug; union { struct section_dispatch_table *d_sdt; } d_un; struct ld_entry *d_entry; }; .Ed .Bl -tag -width d_version .It Fa d_version このフィールドは異なったバージョンのダイナミックリンク実装用に 提供されています。 .Xr ld 1 及び .Xr ld.so 1 が理解する現在のバージョン番号は、 .Tn SunOS 4.x リリースで用いられている .Em LD_VERSION_SUN (3) と、 .Fx 1.1 以来使用されている .Em LD_VERSION_BSD (8) です。 .It Fa d_un .Em d_version に応じたデータ構造を参照します。 .It Fa so_debug このフィールドは、 共有オブジェクトのシンボルテーブルをアクセスするためのフックを デバッガに提供します。 この共有オブジェクトは、 実行時リンクエディタの処理の結果ロードされたものです。 .El .Pp .Fa section_dispatch_table 構造体がメインとなる .Dq ディスパッチャ テーブルであり、 イメージ内で様々なシンボル情報やリロケーション情報が置かれるセグメントへの オフセットを保持します。 .Bd -literal -offset indent struct section_dispatch_table { struct so_map *sdt_loaded; long sdt_sods; long sdt_filler1; long sdt_got; long sdt_plt; long sdt_rel; long sdt_hash; long sdt_nzlist; long sdt_filler2; long sdt_buckets; long sdt_strings; long sdt_str_sz; long sdt_text_sz; long sdt_plt_sz; }; .Ed .Pp .Bl -tag -width sdt_filler1 .It Fa sdt_loaded ロードされた最初のリンクマップ (後述) へのポインタ。 このフィールドは .Nm ld.so によって設定されます。 .It Fa sdt_sods .Em この オブジェクトが必要とする共有オブジェクト記述子の (リンク) リストの先頭。 .It Fa sdt_filler1 使用しないで下さい (SunOS では ライブラリの検索ルールを指定するのに使用されていました)。 .It Fa sdt_got このイメージ中でのグローバルオフセットテーブルの位置。 .It Fa sdt_plt このイメージ中でのプロシージャリンケージテーブルの位置。 .It Fa sdt_rel 実行時のリロケーションを指定する .Fa relocation_info 構造体 ( .Xr a.out 5 参照) の配列の位置。 .It Fa sdt_hash このオブジェクトのシンボルテーブルでシンボル検索を高速化するための ハッシュテーブルの位置。 .It Fa sdt_nzlist シンボルテーブルの位置。 .It Fa sdt_filler2 現在使用されていません。 .It Fa sdt_buckets .Fa sdt_hash 中のバケット数。 .It Fa sdt_strings .Fa sdt_nzlist に対応するシンボル文字列テーブルの位置。 .It Fa sdt_str_sz 文字列テーブルのサイズ。 .It Fa sdt_text_sz このオブジェクトのテキストセグメントのサイズ。 .It Fa sdt_plt_sz プロシージャリンケージテーブルのサイズ。 .El .Pp .Fa sod 構造体は、それを含むオブジェクトのリンクエディット処理を完了するのに 必要な共有オブジェクトを記述します。 そのようなオブジェクトのリスト ( .Fa sod_next で連結されます) は section_dispatch_table 構造体の .Fa sdt_sods によって指し示されます。 .Bd -literal -offset indent struct sod { long sod_name; u_int sod_library : 1, sod_reserved : 31; short sod_major; short sod_minor; long sod_next; }; .Ed .Pp .Bl -tag -width sod_library .It Fa sod_name このリンクオブジェクトを記述する文字列の、 テキストセグメントにおけるオフセット。 .It Fa sod_library もし設定されていれば、 .Fa sod_name は .Nm ld.so が検索することになるライブラリを指定します。 そのパス名は、あるディレクトリ群 ( .Xr ldconfig 8 参照) で .Em lib\&\&.so.n.m にマッチする共有オブジェクトを検索することで得られます。 もし設定されていなければ、 .Fa sod_name は希望する共有オブジェクトに対するフルパス名を指し示す必要があります。 .It Fa sod_major ロードすべき共有オブジェクトのメジャーバージョン番号を指定します。 .It Fa sod_minor ロードすべき共有オブジェクトの希望するマイナバージョン番号を指定します。 .El .Pp プロセスのアドレス空間にロードされる共有オブジェクト全てを追跡するために、 実行時リンクエディタは .Em リンクマップ と呼ばれる構造体のリストを管理しています。 これらの構造体は実行時にのみ用いられ、 実行可能ファイルや共有ライブラリのテキストあるいはデータセグメントには ありません。 .Bd -literal -offset indent struct so_map { caddr_t som_addr; char *som_path; struct so_map *som_next; struct sod *som_sod; caddr_t som_sodbase; u_int som_write : 1; struct _dynamic *som_dynamic; caddr_t som_spd; }; .Ed .Bl -tag -width som_dynamic .It Fa som_addr このリンクマップに対応する共有オブジェクトがロードされるアドレス。 .It Fa som_path ロードされるオブジェクトのフルパス名。 .It Fa som_next 次のリンクマップへのポインタ。 .It Fa som_sod この共有オブジェクトのロードをつかさどる .Fa sod 構造体。 .It Fa som_sodbase 最近のバージョンの実行時リンカでは捨てられています。 .It Fa som_write このオブジェクトのテキストセグメント (の一部分) が現在書き込み可能である 場合にセットされます。 .It Fa som_dynamic このオブジェクトの .Fa _dynamic 構造体へのポインタ。 .It Fa som_spd 実行時リンクエディタが管理するプライベートデータと連結するためのフック。 .El .Pp サイズ付きシンボル記述。 これは単に .Fa nlist 構造体にフィールド .Pq Fa nz_size を 1 つ追加したものです。 共有オブジェクトのデータセグメントにあるアイテムの サイズ情報を伝達するのに用いられます。 この構造体の配列は共有オブジェクトのテキストセグメントに存在し、 そのアドレスは .Fa section_dispatch_table の .Fa sdt_nzlist フィールドで指定されます。 .Bd -literal -offset indent struct nzlist { struct nlist nlist; u_long nz_size; #define nz_un nlist.n_un #define nz_strx nlist.n_un.n_strx #define nz_name nlist.n_un.n_name #define nz_type nlist.n_type #define nz_value nlist.n_value #define nz_desc nlist.n_desc #define nz_other nlist.n_other }; .Ed .Bl -tag -width nz_size .It Fa nlist ( .Xr nlist 3 参照)。 .It Fa nz_size このシンボルで表現されるデータのサイズ。 .El .Pp 実行時のリンクエディットで行われるシンボル検索を高速化するため、 共有オブジェクトのテキストセグメントにハッシュテーブルが含まれています。 .Fa section_dispatch_table の .Fa sdt_hash フィールドは .Fa rrs_hash 構造体を指し示します: .Bd -literal -offset indent struct rrs_hash { int rh_symbolnum; /* シンボル番号 */ int rh_next; /* 次のハッシュエントリ */ }; .Ed .Pp .Bl -tag -width rh_symbolnum .It Fa rh_symbolnum 共有オブジェクトのシンボルテーブル ( .Fa ld_symbols で与えられます) での当該シンボルのインデックス。 .It Fa rh_next 衝突が起きたとき、このフィールドはこのハッシュテーブルのバケットにおける 次のエントリのオフセットを保持します。 最終バケット要素の場合は 0 となります。 .El .Fa rt_symbol 構造体は、 実行時にアロケートされるコモン(commons)と 共有オブジェクトからコピーされるデータアイテムを 追跡するのに用いられます。 これらのアイテムはリンクリストで管理され、デバッガでの利用のために .Fa so_debug 構造体 (後述) 中の .Fa dd_cc フィールドによって公開されます。 .Bd -literal -offset indent struct rt_symbol { struct nzlist *rt_sp; struct rt_symbol *rt_next; struct rt_symbol *rt_link; caddr_t rt_srcaddr; struct so_map *rt_smp; }; .Ed .Pp .Bl -tag -width rt_scraddr .It Fa rt_sp シンボル記述。 .It Fa rt_next 次の rt_symbol の仮想アドレス。 .It Fa rt_link ハッシュバケットにおける次の要素。 .Nm ld.so の内部で用いられます。 .It Fa rt_srcaddr 共有オブジェクト中での初期化済データのソース位置。 .It Fa rt_smp この実行時シンボルが記述するデータの元のソースとなる共有オブジェクト。 .El .Pp .Fa so_debug 構造体は、 実行時リンクエディットの結果、当該プロセスのアドレス空間にロードされた あらゆる共有オブジェクトの情報を得るために、 デバッガによって利用されます。 実行時リンクエディタはプロセスの初期化処理の一部として実行されるため、 共有オブジェクトからシンボルにアクセスしようとするデバッガは、 crt0 からリンクエディタが呼ばれた後でのみそれが可能となります。 ダイナミックリンクされているバイナリは .Fa so_debug 構造体を持っています。この構造体の場所は .Fa _dynamic 中の .Fa d_debug フィールドで指示されます。 .Bd -literal -offset indent struct so_debug { int dd_version; int dd_in_debugger; int dd_sym_loaded; char *dd_bpt_addr; int dd_bpt_shadow; struct rt_symbol *dd_cc; }; .Ed .Pp .Bl -tag -width dd_in_debugger .It Fa dd_version このインタフェースのバージョン番号。 .It Fa dd_in_debugger 当該プログラムがデバッガの制御下にあることを実行時リンカに知らせるために デバッガによってセットされます。 .It Fa dd_sym_loaded 共有オブジェクトをロードすることで実行時リンカがシンボルを追加した場合、 実行時リンカによってセットされます。 .It Fa dd_bpt_addr デバッガに制御を移すために実行時リンカによってセットされる ブレークポイントアドレス。 このアドレスは、_main 呼び出しの前に、スタートアップモジュール .Pa crt0.o によってある適切な場所に決定されます。 .It Fa dd_bpt_shadow アドレス .Fa dd_bpt_addr にあった元の機械命令を保持します。 デバッガは、プログラム実行を再開する前にこの機械命令を元に戻すことに なっています。 .It Fa dd_cc デバッガが必要とする可能性のある、実行時にアロケートしたシンボルの リンクリストへのポインタ。 .El .Pp .Em ld_entry 構造体は .Nm ld.so 中のサービスルーチン一式を定義します。 .\" See .\" .Xr libdl.a .\" for more information. .Bd -literal -offset indent struct ld_entry { void *(*dlopen)(char *, int); int (*dlclose)(void *); void *(*dlsym)(void *, char *); char *(*dlerror)(void); }; .Ed .Pp .Fa crt_ldso 構造体は、crt0 中のスタートアップコードと .Nm ld.so との間のインタフェースを定義します。 .Bd -literal -offset indent struct crt_ldso { int crt_ba; int crt_dzfd; int crt_ldfd; struct _dynamic *crt_dp; char **crt_ep; caddr_t crt_bp; char *crt_prog; char *crt_ldso; struct ld_entry *crt_ldentry; }; #define CRT_VERSION_SUN 1 #define CRT_VERSION_BSD_2 2 #define CRT_VERSION_BSD_3 3 #define CRT_VERSION_BSD_4 4 .Ed .Bl -tag -width crt_dzfd .It Fa crt_ba crt0 によって .Nm ld.so がロードされた仮想アドレス。 .It Fa crt_dzfd SunOS では、このフィールドは .Dq Pa /dev/zero へのオープンされたファイル記述子を保持し、 0 クリアされたデマンドページを得ます。 .Fx ではこのフィールドは -1 を保持します。 .It Fa crt_ldfd .Nm ld.so をロードするために crt0 が用いる、オープンされたファイル記述子 を保持します。 .It Fa crt_dp main の .Fa _dynamic 構造体へのポインタ。 .It Fa crt_ep 環境文字列へのポインタ。 .It Fa crt_bp メインプログラムがデバッガで実行される場合、 実行時リンカがブレークポイントを置くアドレス。 .Fa so_debug を参照してください。 .It Fa crt_prog crt0 で決定されるメインプログラムの名前 (CRT_VERSION_BSD3 のみ)。 .It Fa crt_ldso crt0 でマップされる実行時リンカのパス (CRT_VERSION_BSD4 のみ)。 .El .Pp .Fa hints_header 構造体及び .Fa hints_bucket 構造体は、通常 .Dq Pa /var/run/ld.so.hints に置かれるライブラリヒントのレイアウトを定義します。 ライブラリヒントは、ファイルシステム中で共有オブジェクトイメージの在処を すばやく見つけるために .Nm ld.so によって利用されます。 ヒントファイルの構成は .Dq a.out とそれほど異なりません。つまりヒントファイルは、 固定長ハッシュバケットのオフセットとサイズを決定するためのヘッダと、 共通の文字列プールを持っています。 .Bd -literal -offset indent struct hints_header { long hh_magic; #define HH_MAGIC 011421044151 long hh_version; #define LD_HINTS_VERSION_1 1 long hh_hashtab; long hh_nbucket; long hh_strtab; long hh_strtab_sz; long hh_ehints; }; .Ed .Bl -tag -width hh_strtab_sz .It Fa hh_magic ヒントファイルのマジックナンバ。 .It Fa hh_version インタフェースのバージョン番号。 .It Fa hh_hashtab ハッシュテーブルのオフセット。 .It Fa hh_strtab 文字列テーブルのオフセット。 .It Fa hh_strtab_sz 文字列テーブルのサイズ。 .It Fa hh_ehints ヒントファイルで利用可能な最大オフセット。 .El .Pp .Bd -literal -offset indent /* * ヒントファイルのハッシュテーブル要素 */ struct hints_bucket { int hi_namex; int hi_pathx; int hi_dewey[MAXDEWEY]; int hi_ndewey; #define hi_major hi_dewey[0] #define hi_minor hi_dewey[1] int hi_next; }; .Ed .Bl -tag -width hi_ndewey .It Fa hi_namex ライブラリを指定する文字列のインデックス。 .It Fa hi_pathx ライブラリのフルパス名を表す文字列のインデックス。 .It Fa hi_dewey 共通ライブラリのバージョン番号。 .It Fa hi_ndewey .Fa hi_dewey 中の有効エントリ数。 .It Fa hi_next ハッシュ衝突の際の次のバケット。 .El .Sh 警告 現在のところ、共有ライブラリ生成をサポートしているのは (GNU) C コンパイラ のみです。他のプログラミング言語では利用できません。